ドイツ 視察状況
11月21日視察先  2ヶ所 
・ユーンデ村 → バイオ発電、熱利用
・ヴェルビオ(VERBIO)社 MBE工場 → バイオエタノール製造

この写真はドイツ・ユーンデ村の風景です。バイオマス発電、熱利用を行なっています。
仕組みは、村の穀物と家畜糞尿を発酵させ、メタンガスを作り、燃やして熱と電気を作るというどこにでもあるシステムと間伐材をチップ化してボイラー燃焼し熱を作るシステムです。発電の際、冷却する設備から発生する熱を更に利用する事が新しいと認められ、国から補助として150万ユーロを受けたそうです。施設設置費用は、530万ユーロ(約9億円)かかり、熱は、ユーンデ村など登録金を納めた会員(生協的)が利用出来るそうです。
元々、ドイツ・ゲッティンゲン大学の考えで、このプランは進められ、40の自治体に持ちかけ、ユーンデ村では、家畜や穀物が多量にあり、近くに森林もあるという立地条件が満たされて、また当初住民の60%以上が賛成した為、採用が決まったそうです。
写真は木チップ置場とボイラー設備です。現在、生協の様な運営で、昨年の売上げが90万ユーロ(153百万円)だそうです。ドイツの再生可能エネルギー法で認められたものは、内容により売電価格が決まっているようであり、この施設で作った電力は17セント(29円)/kwhで売電が可能。市場電気代より高く、電力会社が、自分とこの新たな設備にかかる費用が抑えられるという意味合いで、その差額の面倒をみているそうです。
集会所にシャープさんの太陽光発電システムを取り付けにかかっていました。日本企業も活躍していますね。

もう一箇所の視察先(VERBIO社MBE)

写真撮影禁止の為、写真がありません
VERBIO社
遅れて夜7時頃、到着したにも関わらず、きちんと説明して頂きました。VERBIO社は、ヨーロッパ最大のバイオ燃料生産メーカーで、その内の一つであるMBE工場を見学させてもらいました。穀物からエタノールを精製していますが、ドイツでは、法律でエタノールをガソリンに混ぜないといけないそうです(石油消費量を抑える為)。この会社では、エタノール85%混合のE85という燃料販売を現在進めているそうです。日本でも、E3やBTBE(エタノール由来燃料)といった試みが進められているようですが、ドイツの方がかなり進んでいる様に感じました。またブラジルの森林を切り開いて、大豆などの農地に替えている事について、日本が絡んでいる事をどう思うのかという質問があり、手厳しいと思いました。
11月22日視察先  2ヶ所 
・コーレン(CHOREN)社 → バイオマス発電・燃料製造工場
・シーメンス社 FGT → バイオマスガス化炉製造
コーレン(CHOREN)社工場
内部写真撮影禁止。
工場建設費用90百万ユーロ(約153億円)で、その内、半分以上が政府援助などだそうです。
間伐材、解体木くずなどをガス化し発電と燃料製造を行なっているようです。ガス化の場合、乾燥している事がある程度条件に含まれるので、乾燥にもかなりのエネルギーを消費いていると思われます。
シーメンスFGT工場
内部写真撮影禁止。
旧東独では、石油がかなり貴重な資源であった為、褐炭を液化する技術に取り組んでいた。その技術が買われ、いろいろな企業に買収されて、現在シーメンスのグループになっているそうです。

既に見てきたプラント同様バイオマスや石炭からガス化し、発電に利用する設備を作っているそうであり、海外でも500MW級を複数ライン建設する受注を受けているそうです。廃棄物は扱った事があるが、性質が一定でなく難しい為、かなり均一化(炭化など)しないと扱えないという話でした。又単価面で、ごみ焼却炉に負けるとの事。ガス化炉設備は多種多様にあり、今回見せて頂いたタイプも海外への受注が決まっている事から、かなり優れいている設備である事がうかがい知れます。
11月23日視察先  2ヶ所 
・ボーブリンゲン郡(シュツットガルト) → バイオ発電・燃料電池
・Holzheizkraftwerk Scharnhauser  → 木質バイオマス発電
レオンベルク市施設(ボーブリンゲン郡の廃棄物管理センター子会社にて管理)
人口37万の自治体で、生ゴミを利用して発酵ガスから電力を作っているそうです。生ゴミなどのバイオマス投入量は、年間で約3万トンで、2週間に1回各家庭から出る生ゴミ回収しているそうです。ここの施設も国や州政府などから設備投資の80%の援助を受けいるそうです。燃料設備の価格は、約300万ユーロ。
発酵槽から最終的に出る発酵残渣は堆肥化しているそうです。この手の施設としては、ドイツで最初に燃料電池を利用。メタン(CH)から水素を取り出し、酸素と反応させて電気を作ります。だいたい、450℃〜650℃ぐらいの間で化学反応させているそうです。一般的に電気と水と熱が出来るだけで、クリーンなエネルギーとされています。太陽電池より9割効率が良いと説明有り。ここの設備では、ガスエンジンによる発電も含めて850万kwh/年を作れるそうです。売上げで約70万ユーロに程度を見込んでいるとの事。
資料が日本語で用意されていたのには驚きました。日本からの視察も多いと言う事なのでしょう。日本では、生ゴミを利用して燃料電池を使った発電は、あまり普及していないようですが、ここの施設だけでも年間に発生するコンポスト量が約1万7千トンもあり、その堆肥を受入出来る広大な土地があるからこそ可能なのだと思います。残渣量(処理先)や発電量(売電価格)などで、日本では採算の合う施設が作りにくいかもしれません。。
Holzheizkraftwerk Scharnhauser社
湿った間伐材を利用した発電を行なっているそうです。30%は森の木からで、70%は庭の剪定木を利用。施設は州政府が全額支払いをしたそうです。驚いたのは、収集運搬業者はタダで家庭から収集し、破砕まで実施。この施設に納入する時、35ユーロ/tをもらえるそうですが、日本の感覚では採算が合わない気がします。
シリコンオイルを蒸発させてタービン回し発電しているそうです。ドイツの再生可能エネルギー法により、ここの売電価格は21.5ユーロセント/kwで、風力発電が11.9ユーロセント/kwしかもらえないそうなので、採算性は良いようです。

スイス視察状況
11月26日視察先  2ヶ所 
・COLAS社(スイス支社) → 再生アスファルト・低音アスファルト
・HOFSTETTER社  → 埋立地発酵ガス燃焼設備
COLAS社 世界でも有数の道路工事メーカー。全社で6万3千人。ここの営業所では、スイス西部で仕事を展開しているそうです。道路工事以外にも水管工事、砕石砂利やアスファルト、コンクリート製造も扱っているとの事。
ルゴソフトというアスファルトでは粒を0.8mm程度にし、タイヤとの接触面を増やした。しかも表面を均一に施行し、水の飛散低減や防音効果を上げた。またリサイクルアスファルトを使用し、低温で施工。u当たりにかかるエネルギーを従来品の半分以下にした。従来アスファルトに対して、フランス全土の60%がこれで行なわれているそうです。日本にも同様のものは有るでしょうが、世界中に展開して欲しい気がしました。
HOFSTETTER社
同社は、元々、砂利の採掘やコンクリート事業からスタートしたそうで、30年ぐらい前は、採掘で出来た穴に廃棄物を入れるのが当たり前だったそうです。しかし、土壌汚染、大気汚染などのいろいろな問題が発生し、埋立地から発生するガスを燃焼させる設備事業を開始したそうです。
ヨーロッパでは、過去生ごみとか入ったものも含めて、焼却せず埋立てていた時代があり、埋立処分場からメタンやVOCs(揮発性有機化合物)などが発生、地下にも浸透するなどの問題があり、ガスを吸出し、燃焼させる必要が生じたそうです。現在では、埋立地のガス燃焼システムをキューバ、イギリスなどの海外へも輸出しているそうです。
砂利やコンクリートなどを扱っている関係でタイヤに付いた粉が道路へ出ないようにする為、常に場内は水が流されていました。
11月27日視察先  2ヶ所 
・JETORO(日本貿易振興機構) → スイス状況、生分解性プラ事業の紹介
・クリエーティブヒーティング社 → マイクロウェーブ加熱システム
JETOROで聞いたスイス概要 スイスには、世界10位以内の製薬会社がいくつかあるので、バイオ技術を中心に、ナノ、IT、環境といずれも力があるとの事。いろんな企業の本社や販売本部がスイスへ置かれたり、いろんな意味での中心的役割を果たしている。
貿易を中心に、人や技術の往来が多く、大量生産型製造業よりも技術力の高い分野の製品を作る事で、欧州の大国と競ってきた。
失業率も今年7月で2.5%と低く、大卒初任給が、ボーナスは無いが月7,000フラン(70万円)と高い。小売商店のパートでも時間2,000円ぐらい稼いでいる。低い税制、独自の金融システムなどEUに加盟しないだけの強みをいろいろと持っているとの事でした
バイオアプライ社
JETOROにて生分解性プラ事業の活動について、話を聞きました。
写真は、生分解性プラについているマーク。OK コンポストと表示してあり、堆肥化可能な事を示しています。但し、事業全体の流れは、これからであり、食品メーカーに設備を入れるなどの実用路線に乗るのは、まだ先のようでした。
またEUでは、遺伝子組み換え植物を使用する事は禁止されているので、アメリカが行なっている生分解性プラ(遺伝子組み換え使用)の普及は、厳しいだろうとの事でした。
クリエーティブヒーティング社

機密保持の為、写真添付なし。
クリエーティブヒーティング社
マイクロウェーブヒーティングシステムについて、ご教授頂きました。
現在、社員6名で、ベンチャー企業といった感じでした。いわゆる電子レンジなどで使うマイクロウェーブは、100%対象品にヒットしているわけではなく、効率よく100%ヒットさせる設備を開発しているという話でした。このシステムにより、電子レンジに比べエネルギー消費を1/6に抑えられ、高速処理が可能になるとの事。対象分野としては、食品関連や医療廃棄物の殺菌処理など広範囲に考えられるそうです。日本の医療関係企業とも話をしているそうです。量産ベースでは、課題がありそうですが、技術的には、興味深い感じがしました。

フランス視察状況
11月28日視察先  2ヶ所 
・環境展(ポルテック2007)下見
・VALDELEC → 家電分解リサイクル
Polltec2007(環境展)下見
リサイクル設備のブースを中心に回り、分析機器関連ブースも回りました。日本で過去見た環境展とかなり違うところは、お客との商談スペースを十分確保している点が多いように感じられた。それこそ、テーブルやイスを十分用意し、またドリンクサービスなど、どこかの喫茶店かバーのような所もありました。
日本の企業も出展しており、欧州の企業が中心でしたが、国際色豊かな展示会のようでした。車輌なども大型のものが多く、また日本の展示会ではあまり見かけないものとして、コンテナ設置場所につける可動式屋根があり、海外らしいという印象を受けました。
VALDELEC社
フランスの家電リサイクル(分解、有害物質除去まで)をやっている企業です。
一般家庭から出る家電については入札制で、フランス全国を対象に、4つの品目カテゴリと2つの業種(回収と処理)、計8種類の入札を行なうそうです。消費者が製品購入時、ECOTAXを支払い(例:冷蔵庫13ユーロ)、集められたお金を管理団体(おそらくEE社)から、処理費として200ユーロ/tもらう流れだそうです。
大型アームロール車のコンテナがたくさんあると思ってみていたら、グループ会社全体で、3,000台の大型車を所有しているという説明がありました。いわゆる一廃以外にも企業から出る産廃系の物も扱うそうです。田舎は、近くに拠点が無いので、鉄箱を数箇所に配置し、回収に当たっているそうです。
ここでは、分解と有害物質除去までを実施し、その後のリサイクルはドイツへ送って行なっているそうです。ドイツでは、年間5万トンの大型処理設備があり、フランスでは、まだ年間1万5千トンしか回収できていないので、ドイツへ送った方が現状では良いと考えているそうです。将来的には、同様の設備導入も視野に入れているそうです。
トレーサービリティーを高める為、日本の産廃マニュフェストのようなもので、管理をしているようでした。
11月29日視察先  2ヶ所 
・VEOLIA社 → 汚染土壌(シアン)処理
・環境展(ポルテック2007)視察
VEOLIA社
土壌汚染処理の現場を視察しました。パリ郊外に昔、シアン工場があり、その業者が廃業後、有害廃棄物を地中に埋めて大きな問題となったそうです。それで入札の結果、VEOLIA社が選ばれ、数学的モデルに基き、何箇所かの地下水を汲み上げて水処理(イオン交換樹脂使用)を行なっているようです。問題エリアの地面には、シートが張り巡らされており、雨水が浸透しないようになっているそうです。最終的な処理に10年から15年はかかる見込み。VEOLIA社自体は、水処理においては世界的にリードしている大企業です。
Polltec2007(環境展)視察
主に見て回ったのは、破砕機、選別機、日本の展示会でも見かける太い電線の被覆材剥離機などを見て周りました。日本に代理店などがある業者は、その連絡先を教えてもらいました。


                      以 上