ヨーロッパエコツアーに参加しました!

2006年10月24日

2006年9月28日〜10月6日まで、ドイツを中心とする環境先進国を視察するツアーに、弊社から1名参加しました。
大変有意義で楽しい研修旅行でした。
環境に配慮した取組みをしている都市(フライブルク、ストラスブール、ハイデルベルク)の取組みの紹介、感想を報告します。

日程: 
9月28日 関空発 〜香港
9月29日〜30日 フライブルク(ドイツ)
10月1日〜2日 ストラスブール(フランス)
10月3日〜4日 ハイデルベルク(ドイツ)
10月5日〜6日 香港経由関西国際空港着

目次:
  1、交通について
  2、廃棄物(ごみ)について
  3、エネルギーについて
  4、環境全般について
<交通について>
ドイツでは、自転車が交通手段の一つとして多く利用されています。
電車の側面に、自転車のマークが描いてあります。
実は、ドイツでは電車の中に自転車を持ち込むことが可能なのです。
(なるべく自動車を使わなくてもいいように配慮)
もっと驚いたことは、駅に改札がないことです。
そのかわり車内で、車掌が切符の点検にきます。
すごく合理的だと思いました。
右の写真は、自転車のレンタルショップです。主要駅の近くには自転車のレンタルショップが必ずあるようです。
ちなみに、料金は半日で800円〜1000円程度でした。
研修旅行の最初の2泊はフライブルクのビクトリアホテルというエコホテルに宿泊しました。
エコホテルが所有している(と思われる)車・・ではなく、自転車がホテルの前の駐車スペースに止まっていました。車内は、2人用の座席とペダルがありました。
さすが、環境に配慮したエコホテルです。

フライブルクの市内です。
ドイツの車(ベンツやフォルクスワーゲン)が多く走っていました。
歩道には、排気ガスによる大気汚染の状態が電子掲示板に表示されるようになっていました。
フライブルクの市内は、トラム(路面電車)が整備されていました。トラムにより、自動車がなくても市内を移動することが出来ます。料金は、1日(24時間)乗り放題制になっていて、大変便利でした。

左の写真は、自動車乗り入れ禁止区域(トラムはOK)です。車が入らないので、空気もきれいでした。
右の写真は、芝生の中にレールを通しています。こうすることで、消音効果があるそうです。
これは、ストラスブールの郊外にあるトラムの終着駅です。ストラスブールは交通政策として、なるべく市街地に自動車を乗り入れさせないため、トラムの終着駅に大駐車場つくり、トラムに乗り換えさせるようにしています。もちろん、市外へのバスや電車もここで乗り換えることが出来ます。
フライブルクにあるヴォーバンという住宅地です。
ここは、1990年までフランスの兵舎があったのですが、学生がNPOを立ち上げたのをきっかけに、400人の市民が都市計画に参加し、このような住宅街が出来ました。
住宅地に車の乗り入れをしないで済むように、住宅地の入り口に立体駐車場を建設(左写真)。
コーポラティブ(将来そこに住む人たちが話し合って、集合住宅を建設する)というユニークな住宅がありました。
ストラスブールにある、車の乗り入れ禁止区域にあるバリカー(自動で上下する柵)です。
タクシー、緊急車輌、住民車輌などは、カードをかざして乗り入れが出来るようになっています。
(感想)
 ドイツの交通政策は、一言で言うと「合理的」だと感じました。例えば、乗り換えの不便さを解消するため路面電車がそのまま電車になったり、改札を駅に作らなかったり、自転車をトラムや電車に持ち込み出来たりなど。
 ストラスブールの例では、1990年代、市街地の渋滞や大気汚染、騒音がひどくなったことにより、このような政策が進められてきました。ストラスブールのトラムの切符収入は、全コストの5割強にしかなりませんが、公共交通は、行政サービスとして位置づけしているので赤字でも問題視していませんでした。市民と行政が協力して住みよい都市を作っていることを感じました。それは、一人ひとりが自分の住む土地を愛していることの表れなんだと感じました。
<廃棄物(ごみ)について>
ドイツのフランクフルト空港に設置してあるゴミ箱です。
日本では、「可燃物」「ビン・缶」の2つに分かれているのが主流ですが、ドイツでは、「ビン・缶」「容器」「紙」「食物系残渣」と4つに分かれているのが主流でした。
これは、先ほどの「食物系残渣」からメタン発酵させ、ガスを利用して、温水や電気を作っている工場です。
温水や電気は、周辺のビル(3棟)で使用されています。
左の写真は、工場内の写真です。

右の写真は、「食物系残渣」を埋め立ている場所を上から見た図です。「食物系残渣」と土を交互にサンドイッチし、メタンガスを取り出すパイプを差し込んでいます。
黒い点がパイプを示し、円はそのパイプでメタンを取り出せる範囲を示しています。
フライブルクにあるスーパーです。
包装はほとんどなく、果物や野菜、肉や魚は量り売りが主流です。お客さんは、設置されている量り売りの機械に果物や野菜をのせ、バーコード付き値段シールをその商品に貼ります。そのためゴミはほとんど出ません。

ちなみにこのスーパーは、「有機栽培、無添加食材」のみを扱っているため、消費者は安心して購入することが出来ます。このスーパーは、チェーン店になっていてハイデルベルクにもありました。
各家庭に設置してあるゴミ箱です。
ドイツでは、ゴミの処分に税金は使われません。
家庭毎もしくは、アパート毎にゴミ箱を設置し、その大きさと収集回数によって、ゴミ代が請求されます。
ただし、ビン・缶、容器ゴミは、生産販売した企業がリサイクル費用を負担するので、一般市民は「食物系残渣」の料金のみが対象となります。
左の写真は、街中に設置してあるゴミ箱です。このゴミ箱は、ビンを色別に分別するようになっていました。

右の写真は、動物園の敷地内に設置されている動物の糞尿の発酵設備で発電をしています。
(感想)
 廃棄物の問題を解決する糸口として、次の2つのことが重要であると思いました。
 1、ごみの処分に税金を使わない。(各家庭ごとに請求する)
 2、拡大生産者責任により、廃棄物のリサイクル費用を企業が負担する。
日本では、どちらの政策も実現していませんが、この政策を進めればごみの量は激減するような気がします。また、必要以上の経費をかけて野菜や果物を包装する必要もないように感じました。これは、日本人の「キレイ好き」が高じてそうなったのかもしれませんが、Simple is Bestを心がけたいと思いました。
<エネルギーについて>
フライブルクのエコホテルの屋上に設置してある太陽光発電設備と太陽熱温水設備です。
同じくエコホテルの地下にある木材チップを使用したボイラーです。温水にして、ホテルの暖房に使用していました。
これは、フライブルクにある市立の職業訓練校です。
この職業訓練校は、市が自然エネルギーの活用を進めるために設立しました。
つまり太陽光発電システムや水車発電を広めるためには、設備の施工者である地元の業者や若い世代の人に、知識や技能を身につけさせる必要があると考えて設立されたとの事でした。
そのため、実験棟には、あらゆるタイプのソーラー発電システムが設置してあって、それぞれの特徴を勉強できるようになっていました。
しかも実験棟は、入学しなくても申請すれば誰でも使用することが出来るそうです。
日本だと、すぐに助成金制度を使いそうですが、「人を育てる」というところに重点を置いている市の取り組みはすばらしいと感心しました。
ガラス張りになっているビルです。
ドイツでは、冬に暖房を出来るだけ使わないですむように太陽の熱を多く取り入れる仕組みになっています。
緯度が高いので、夏の避暑よりも冬の防寒を考えたつくりになっていました。
フライブルクに在住しておられる村上敦さんに、エコ住宅の見学に連れて行っていただきました。
これはプラスエネルギー住宅です。
この住宅は、その名のとおり人が住めば住むほどソーラー発電システムにより、電気エネルギーを生産するようになっている集合住宅です。
使われるエネルギーより生産するエネルギーの方が多いので「プラスエネルギー住宅」と呼ばれています。
(感想)
 日本と違って、原子力発電を使わないですむように、自然エネルギー政策を進めていました。原子力発電が危険であるというよりは、原子力発電の廃熱処理に問題があるという理由の方が勝っているそうです。日本のように海に囲まれた環境なら廃熱を海に放出することが可能ですが、ドイツでは、水蒸気として大気に放出しても川に放出しても、環境が変わってしまい農作物に打撃を与えるのだそうです。
 このような理由から、国は省エネと自然エネルギーの活用に力を入れてきました。
 自然エネルギーで生産された電気は、日本の3倍から4倍の価格で、電力会社は買い取ることが義務付けられているため、家庭用のソーラーシステムの初期投資も5年で回収できるようになっていました。たぶん電力会社からは、反発があったと思いますが、これらのことが実現できるのはやはり国民の意識の違いだろうと思いました。
<環境全般について>
エコホテルの屋上です。
ドイツでは、建物の材質や形状にも規制があります。
地域によって違いますが、敷地面積の一定の割合で浸透性の舗装をすることが義務付けられています。
そのため、この写真のように屋上緑化をしたり、砂利を敷き詰めたりしています。

街のすぐ近くに、森があって散歩やジョギングが出来るようになっていました。森の中には、このような遊び場も用意されていました。
教会の前の広場では、市場が開かれていました。
野菜やくだものや花を売っていました。
もちろん、包装もレジ袋もなしで、お客さんは買い物籠を持って買いに来ていました。

果物ですが、日本と違い原種に近い品種が多かったように思います。
そのため、ぶどうには種がいっぱいありましたし、りんごは硬くて小さかったです。
農薬や品種改良の薬をほとんど使わないためです。
公園にあったオブジェです。
欧州では、芸術を非常に大事にしています。そのため、このような変わったオブジェがたくさんありました。
トラムの予算の1%を芸術のために割いているという話も聞きました。
右の写真は、住宅の合間にある公園です。森のような公園の中に秘密基地のような遊び場がありました。
左の写真は、川です。
日本と違って、水が流れていません。ドイツは、勾配のないなだらかな平野なので、一度に大量の雨が降ったら洪水になる恐れがあります。
そのため、川は水を吸収しやすいように地面に鋼材が埋め込まれているそうです。

右の写真は、公園の樹木の枝を剪定したものを柵のようにして、処理していました。
ここはハイデルベルクの町です。景観を重視するため、街の建物は色を決められいるので、とても綺麗です。

町の中心を流れるネッカー川には水面下に水力発電があります。
実は、発電所を建設するという話が出たときに、市民と専門家が景観を損なうため水面下の建設を提案して、実現したそうです。
(感想)
 環境全般については、一言で「ゆったりとした生活」を好んでいるのを感じました。
 社会の仕組み(対策)は合理的な面が多いのですが、生活や文化は「ゆったりと豊かに」を重視しているような印象を受けました。
特に景観を損なわないために「水力発電所」を川の中に作ったり、マクドナルドの看板を町並みに合わせた色に変えさせたりと、自分の住む町を愛している人が多いと思いました。街の中心には、教会があり何年もかかりながら修復していました。
街の中の自然が豊かなところを歩くのは、大変気持ちが良かったです。

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株式会社オガワエコノス
(文・写真/堀)